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星乃トラコは眠りたい。

小説を書いて一発当てて犬を飼って寝て暮らす。それがわたしの最終目標。

眠り病のこと

思えば学生時代から、居眠りの多い生徒だった。特定の授業で寝る傾向が高かったのでずっとその科目と相性が悪いのだと思っていたが、よくよく考えれば特定の時間割、すなわち時間帯で眠りに落ちていたのだった。これで成績が悪ければ教師の目の敵にされたところだが、幸い私は優秀な生徒だったのでお目溢しをもらっていた。

問題が本格化したのは就業してからで、遅刻ギリギリで居眠りもやるので評価は地に落ち、寝るなと咎められれば返事だけは良いものの何度でも眠るのでやるやる詐欺の常習のように扱われ、配置換えで余計に時間に厳しく忙しいところに回され、そうこうするうち帰宅後に何も、食事も入浴も掃除も洗濯も全く何もできず帰るなり眠るようになって、全てがほころび始め病院に駆け込んだ。

眠り病と判って良かったことはあまり無い。職場に診断書を提出したら居眠り癖だけはどうしようもないものとは理解されたが、そうは言っても自分が頑張っている横でうとうとしている奴がいたら良い気分はしないのが人間というもの、まして私に「居眠りの分他のところで人一倍頑張ろう」という姿勢が見えないのもあって、先輩や上司の覚えは日に日にめでたくなくなるばかり。

強いて言えば検査の折に自分の眠りの異常さが数値になってはじき出されたことや、あの大仰な検査機械の取り付けや完成した姿を見られたことは面白かったしいい経験だったが、これらの検査も専門の機関で行ったため金額としては馬鹿にならない出費となったので、眠り病のメリットには数えられない。

 

夢に関しては、少しは良かったかもしれない。私は眠り病にしては悪夢が少なく、ねじれた世界観や物語性をもった小説のような夢を見ている。ぶっちゃけとっても面白く、楽しい。許されるなら二度寝と言わず三度寝四度寝してしまいたいとしょっちゅう思っている。

ときどき困るのは、やはり仕事の夢も見てしまうことである。この前は前の部署の上司が私の引越し先を紹介してくれることになって、そのためには仕事をもっと頑張ってもらわないと、と言われ、その引越し先に気に入られるために雑用をしに行く夢を見た。目が覚めてからしばらく「そうだなー仕事頑張らないと、それに早く着替えてあそこのお家を片付けにいかなきゃ」などと思っていたが、よくよく考えれば前の部署の上司が私の今の仕事の評価をするわけがないし引越しの面倒を見てくれるとかありえないしそもそも私には引越しする予定はない。という具合に、夢を真に受けて現実とかみ合わなくなることがしばしばあって少し混乱する。

「引越し先」として出てきた家はよく思い出してみれば父の実家であった。幼い頃は探検して遊んだこともあったが、職業柄もありものすごくモノの多い建物だった。潰して平地にしてしまったはずなのでもう片付けに行くことはできない。